【研究姿勢とテーマ】 生体システムは社会に役立つデバイス開発のヒントとなる機能の宝庫です。 私の研究では、生体機能の模倣(バイオミメティクス)とエレクトロニクス材料を融合し生体に学んだ新規ナノ機能材料・デバイスの研究開発を行っています。 生体システムではセンシング-情報処理-行動という異なる機能がシームレスに統合し、超低消費電力で動作しています。その根底に、室温と同等のエネルギーオーダー(30meV)で脳が情報処理を行い、多様な階層構造のインターフェイスレスな異機能調和があることが重要なポイントとなります。 例えば脳を模倣した超低非消費電力の完全非ノイマン型コンピューティングのためのシナプティックトランジスタや情報処理との統合システムの研究、マイクロアクチュエータ(筋細胞)の集合体が同期動作する無反動アクチュエータの開発を行っています。 また、生物機能を学ぶことは、人に役立つ生体調和性の良いウェアラブルセンサやバイタルサイン計測システムの開発にも役立ちます。基礎研究に留まらず、産業応用できるレベルにまで引き上げ、企業に引き渡すことも今日の研究者として重要な使命であると考えています。基礎研究から産業応用までには、魔の川、死の谷を越えなければなりません。大学の研究者のみでは産業応用にたどり着くのは大変難しいでしょう。企業との共同研究の在り方、橋渡し人材も重要な要素になってきます。 様々な分野の専門家たち(研究者とは限らず)とコラボし、社会とのかかわりを重視しながら研究を行っています。 【研究テーマ】 ■物質科学 ① 超低非消費電力シナプティックトランジスタの創出と物質科学の観点からデバイス物理研究 ➤ ② 多用途・超高感度フレキシブルセンサーの開発 ③ 酸化物MEMS/NEMSによる高速動作アクチュエータの開発 ■回路技術 ① ノイズアブソーバー技術を搭載したウェアラブル高精度心電計測器の開発➤ ② 人調和性デバイス・システム開発の延長線にある「療育」「癒し」「ストレス」の客観的解析の研究(別サイト)➤ |
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